キャッシュゲームかトーナメント - どっちがお得?

お金を稼ぐ上で、キャッシュゲームかトーナメントのどちらがいいのかと悩むプレーヤーは少なくありません。888poker が、両方のゲームの良い点・悪い点をお教えします。
January 1 2017

私たちはポーカープレーヤーとしての岐路に立っています。キャッシュゲームでお金を稼ぐのが現実的だと理解しながらも、トーナメントで大金を獲得できる可能性も捨てがたい。プレーヤーの大半が 2 種類のゲームのどちらからに集中することを選びますが、引き続き両方をプレイするプレーヤーもいます。どちらかに特化することを決めるならば、どういった要素を考慮にいれるべきなのでしょうか?

基本事項

まずは 2 種類のゲームの基本事項を正確に押さえておきましょう。

キャッシュゲーム

  • 好きな時にゲームを始めき、好きな時に止めることができます。
  • 自由にチップをリバイできます。
  • ブラインドレベルは固定です。

トーナメント

  • 登録時に参加する必要があります。
  • チップがなくなるまでプレイする必要があります。
  • リバイ・トーナメントを除き、リバイは許可されていません。
  • ブラインドレベルはセットのインターバルごとに増加します。

小さな構造上の違いが、ゲームスタイル、ならびに使用するベストなポーカーゲームの戦略にも大きな影響を与えます。どちらの形式が自分に合っているかを決めるにあたり、次のアドバイスを参考にしてください。

つぎ込める時間

あまり時間がないのであれば、間違いなくキャッシュゲームをプレイすべきです。キャッシュゲームなら、好きな時にゲームに参加でき、自分の好きなだけプレイしてやめることができます。これは特に、自分がプレイしたい賭け額で即座に始めることができる “Snap” 形式のキャッシュゲームに挑戦しようと考える方にお勧めです。これまでは、5 分以内のプレイなど、まずテーブルに着くだけで 5 分以上掛かっていたことからも、現実的とは言えませんでした。

これとトーナメントを比較してみると、ディープランした場合を考えれば、トーナメントは遥かに長い時間が必要になります。フィールドの大きなMTT の場合、8 時間以上掛かることもあります。始めて数時間でバストしてトーナメントから離脱することもありますが、トーナメント登録時には 8 時間の余裕を見ておくほうがいいでしょう。プロのプレーヤーにとっては何の問題もなくても、日中は仕事をしている私たちにとっては、あまり現実的とは言えません。

ただし、すべての MTT がラージフィールドのイベントではないことを忘れないでください。当社では、 “Sit-n-Go” 形式のトーナメントもプレイすることが可能です。こうしたフィールドが小さ目のトーナメントではある程度の時間は必要ですが、通常 1 時間程度の比較的許容範囲の時間で終わるようになっています。ラージフィールドの MTT と比べてのマイナス面は、ペイアウトの額が遥かに小さくなることです。

分散

多くのプロプレーヤーがトーナメントではなくキャッシュゲームを選択するのには理由があります。トーナメントの分散の大きさはキャッシュゲームとは比べものになりません。一般的に、小さ目のフィールドのイベントをプレイすることで分散を小さく抑えるようにしますが、MTTs のプレイを生業としている場合、ある程度の分散を受け入れる覚悟が必要です。

極端な例を挙げれば、それなりの回数キャッシュゲームをプレイしているプロならば、プレイがうまくいかず、ひと月ほど賞金を獲得できないこともあるかもしれませんが、MTT トーナメントの場合、状況は遥かに厳しくなります。MTT プロならば、半年以上文字通り一切のリターンが得られないこともあります。今ここでお話しているのは、ある程度の回数のトーナメントに参加しているオンラインの MTT プロのことです。これが実際のサーキットを回っているプロの場合、運がなくて何年も大金を手にしていない人も多く見かけられます。

ただし、トーナメントにはさらなる名声や興奮があることも間違いありません。当社のキャッシュゲームの場合、バイインは最大 10 ですが、おそらくは誰も気にしない額でしょう。フィールドの大きい MTT での勝利は、通常特筆すべき業績とみなされます。巨大なフィールドのイベントで最終テーブルまで勝ち進む興奮はかなりのもので、一般的なキャッシュゲームを一日プレイするのとは比べものにならないでしょう。名声や興奮をお求めの方にはトーナメントが向いていると言えます。コンスタントに収益を上げたいという方には、キャッシュゲームがお勧めです。

必要なスキル

MTTs に必要なスキルは、通常キャッシュゲームに必要とされるスキルとは異なります。その違いの大半が、有効なスタックサイズに関するものです。キャッシュゲームでは、あらかじめ決められたスタック、通常 100bb からゲームが始まります。もちろん、よりスタックの薄いプレーヤーに応じて決断を変えていくべきなのですが、たいていの場合、100bb で効率的にプレイします。

トーナメントの場合、スタックサイズは常に変化し続けます。キャッシュゲームのように、100bb または 150bb から始まることが多いものの、ブラインドレベルが上がれば、ショートスタックに陥りやすくなります。この要素により、収益を上げるプレイ方法の幅がさまざまな状況に応じて大幅に変化します。トーナメントプレイの大半では、スタックが 20bb 以下になり、一般的に「プッシュ・オア・フォールド」と呼ばれる状況に移行する状態でプレイします。この状況ではほとんどの決断がプリフロップで下すことになり、より詳細なターンやリバーのシナリオに突入できるほどのスタックがなくなります。

20bb 以下のエフェクティブスタックでのプレイはキャッシュゲームではなかなか見られません。つまりキャッシュプレーヤーが必要としないスキルを、トーナメントプレーヤーは駆使することになります。ナッシュおよび ICM 戦略を使って、プレーヤーはプリフロップでのプッシュ/フォールドのレンジを計算します。これはトーナメントプレイでは必須の要素で、ある程度のスキルを必要とします。ですが、100bb のプレイにはより高度なスキルが必要だと言う人が多いのも事実です。結果として、プレーヤーの大半が、長丁場の戦いでは、キャッシュゲームのほうがトーナメントゲームよりも大変だと言います。

他にも、キャッシュゲームとは違い、トーナメントでは時間的なプレッシャーを感じることを覚えておいてください。キャッシュゲームのハンドは、常に同じ仕組みで始まります。トーナメントの場合、仕組みは常に進化し、下す決断に影響してきます。ある状況下でプリフロップでのオールインが正しい場合でも、次のブラインドレベルまでの残り時間、トーナメントのバブルがはじけるまでの残りプレーヤー数などにより、また違った決断が生まれてきます。ですから、キャッシュゲームの決断が一般的にあまり変化しないのに対して、トーナメントではもう少し動的な決断が必要になります。

キャッシュゲームで収益を上げているからといって、自動的に MTT でもうまくやれることにはならず、その逆もしかりです。トーナメントゲームかキャッシュゲームかのどちらか一つに的を絞るプレーヤーが多いのも、このような理由によります。それぞれのゲームにより、必要とするスキルが違うからです。両方のゲームに必要なスキルを学習しようとするより、どちらか一つに的を絞ることで勝利の可能性を最大化することができます。

ただし、両方に活かせるスキルがない訳ではありません。トーナメントのレイトステージで活きる強いスキルを持っていれば、キャッシュゲームでショートスタックに陥った状況で勝ちを見出すことができるかもしれません。100bb のキャッシュゲームの強いスキルを持っていれば、トーナメントのアーリーステージで活きてくるでしょう。ですから、両方の分野でレベルの高いプレーヤーを目指すことは、必ずしも間違いではなく、あくまでも個人的な選択なのです。

概要 – キャッシュ vs トーナメント

キャッシュ トーナメント
好きな時にゲームに参加可能 一定時間、拘束される
平均的に高いスキルが要求される 平均的に要求されるスキルは少な目
変化少な目 変化多め
同じことを繰り返す ファイナルテーブルの大きな興奮、大きなペイアウト

ご覧のとおり、正解・不正解はありません。ただし、どちらのゲームをプレイするか決断する前に、上記の良い点と悪い点をよく考慮してみるようにしましょう。

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Chad Holloway は 2013 年 World Series of Poker ブレスレット獲得者および Mid-States Poker Tour のメディアディレクターです。 それ以前は、Halloway 氏は PokerNews のマネージングディレクター兼ライブレポーターとして世界中を 6 年間旅行していました。 

さらに、彼は全国紙でポーカーコラムを執筆し、Ante Up 誌のウィスコンシン州アンバサダーで、MSPT 誌の編集長を務め、Casino World 誌に寄稿しています。 また、彼は 888poker 誌の定期的な寄稿者で、2015 年にゾンビをテーマとしたポーカーまんが、World Series of Z

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